朝日が最期を告げる日

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橋にもたれかかって、朝日が昇るのを眺める彼女の隣に並んだ。 大学生だった頃、まだ友人同士だった時から、たまに帰り際にこうしてもたれながらだらだらと話をした。 講堂の裏で黒猫が3匹でじゃれあっているのを見たとか。 仲の良い老教授から美味しいお菓子を貰ったので分けようとか。 中学の頃に買ったお守りをなくしてしまったとか。 朝日が昇るのが好きだと聞いたのも、この場所だった。 ああ、そういえば。 彼女と朝日が昇るのを眺めるのは、これが初めてじゃなかった。 朝日が昇るのが好きだと聞いて、怪訝な顔をした僕に彼女がこう言ったのだ。 明日ここで一緒に朝日を見よう、と。 早起きは気乗りしなかったが、僕はその誘いに頷いた。他ならぬ彼女からの誘いだったからなのだけど。頷いた時の彼女の一層輝いた瞳を、僕は鮮烈に覚えている。 あの約束の朝も、こんな天気だった気がする。 快晴とは言えない、ところどころ雲のある晴れ空で、陰影があってオレンジや黄色、紫の色で染まったその雲がノスタルジックだ。 太陽は薄黄色の光をまとって、山際から半分ほど顔を出している。まんまるの状態になるまで、あと少しだろう。 
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