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藤原大和は彼と同じ陸上部所属で、仲良しの先輩だ。ショックで自分の想いを、陽菜に言えないままだ。
藤原には、すでにガールフレンドがいることを、陽菜へ正直に話した。
「藤原先輩のガールフレンドって誰?」
「2年1組の笹原沙良」
笹原は、陽菜の親友だったのだ。嗚咽する彼女に励ましの言葉をかけてから、逃げるようにその場を立ち去る。
結局、輝之助は卒業するまでに、陽菜へ自分の想いを、伝えることはなかった。
しかし、藤原をはじめ一部の先輩や、同級生たちが暗い場所でも、光り輝くことがなくなっている。輝之助がどうして治ったのかを、尋ねても、「分からない」と返答するだけだ。
輝之助は『ほたる症』のまま高校に進学した。高校に進学した彼は、夜になるたび、光り輝く自分の体が嫌でたまらなかった。
その原因を突き止めたいという一心で、医学部への進学を決意する。医学部は狭き門だ。必死に勉強をしなけらばならず、好きな陸上をやめた。
また、好きだと想う女子生徒はいたが、付き合うとその分だけ勉強の時間がなくなる。彼は勉強に集中して、恋愛感情を抑え続ける決意をした。
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