100年先の目的地へ

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. 一方地上では、依然として砂混じりの風が鳴っている。 それでもリドの音声収集レーダーは、辛うじて2人の会話を聞き取れるほどには機能しているようだった。 『ふむ……なるほどね。なかなか良い奴じゃないか。 それでもボクはまだ、人間がこの星にとっての希望の光だなんて、認めるわけにはいかないよ。 まあ……でも…… 光は案外、人間の心の中に眠っているのかもしれないな。 ボクのナビが感知した、強く光る精神波動。 それが “愛” ってものならね』 灰色に立ち込めた雲間から、ほんの僅かだけ青空が覗いている。 荒れ果てた土色ばりの大地に、天から射し込む黄金色の光が、遠い遥か先に一筋の帯を煌めかせていた。 ~fin~
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