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「うわ、ケーキ? なんで?」
鞄とコートをハンガーに掛けて、穂は眼を輝かせた。
「此処に予約がてら、ケーキも頼んでおいたんだよ」
「陸」
「誕生日おめでとう穂」
「海斗」
穂は嬉しくてケーキを覗いた。イチゴにチョコクリームの、穂の大好物がそこに在る。
「さ、乾杯しようぜ」
陸はデイバッグから、ビールを数本取り出した。
「ビール!?」
お酒が出て来たのには驚いた。
「未成年だよ!?」
「堅い事云うなよ今日だけ。な?」
陸はウインクをして、ケーキを箱からだし、準備を整える。
穂は溜め息を吐いてソファに座ると、3人でビールを手に乾杯した。
「う゛~苦い」
白い泡を口許に残して、穂は頑張って缶の半分を飲んだ。
「穂、無理するなよ」
海斗が慌てて穂からビールを取り上げる。
「ふよ」
双眸をトロンとさせて、クスクスと笑い出した。
「「穂?」」
2人は穂の異変にびっくりした。
「なあに? う~んなんか熱くない?」
2人は眼を合わせて、穂を見る。
「別に。なあ海斗?」
「うん。…穂、暖房きいてるから熱く感じるんだよ。お酒も飲んだし…って、何脱いでんの?」
海斗が隣で制服を脱ぎだした穂に慌てる。
「う? だって熱いよ~」
「そうか脱ぎたいのか」
陸が向かい側から移動して、穂の制服を脱がし始める。
「陸」
海斗がゴクリと息を呑んで、穂の紅くなった頬を撫でた。
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