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光
ある朝、オレはあまりのまぶしさに目を覚ました。
布団の横には、金色の人間が朝の光を反射して神々しく光り輝いていた。
俺はあまりにもびっくりしたので、一瞬ベッドの上で飛び跳ねてしまった。
「な、な、な、何なんですか?あなたはっ!?」
大仏のようでもあり、そうでもない。
生身の人間に金箔を塗りたくったような、パンンチパーマの見たことない男が布団の横で瞑想しているのである。
・・・いや、違った。
よくよく見ると、見たことない男ではなかった。
それは、確かに小学校の時の同級生。永田であった。
「な、永田っっっっ!!!!そうだろ?」
永田は目をつむったまま、静かに頷いた。
永田はあまりよろしくない生徒だった。
オレが25歳の時、(つまり永田も25歳のとき)地元の新聞で、永田が何か悪いことをして、警察に捕まったという記事を見た。
それから20年の歳月が過ぎている。
永田は私に何を伝えに来たのだろうか?
「光輝いてもいいですかっっ!?」
「は?」
永田が急に喋ったので、私は非常にびっくりしました。
見ると永田は泣いているようだった。
「こっ、こっ、ここここんな私でも、光り輝いていいのですかっっ!?」
永田の輝きがより強くなった。
あんなに悪いことをしてきた永田が、今は改心してこんなにも光り輝いている。
私は同級生として恥ずかしかった。
「永田君!僕も君のように光り輝きたいよ!!」
気が付くとオレの体は光を放ちはじめた。
それはもう、永田の光なのか、私の光なのか分からない。
ただ、4畳一間のアパートには、あまりにもそぐわない光景なのだった。
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