アナタに夢中~ミステリーサークルの甘い吐息

1/5
11人が本棚に入れています
本棚に追加
/5ページ
「先輩、せ~ん~ぱ~い」  背後からのっぽの後輩が、僕を呼ぶので立ち止まった。  僕は有栖川輝大学2年。 「サークル行くなら一緒に行きましょう」  コイツは大学1年の、元宮伸二。  書いて字の如く、伸び伸びと育った元宮は軽く190センチの、モデル並みの青年だ。  僕は隣を歩く元宮を見上げて、ひっそりと溜め息。 「何食ったらこんなデカくなるんだろう?」 「先輩が食べなさ過ぎなんですよ」 「お前が食い過ぎなんだよ」  母親譲りの女顔と、160センチ止まりの華奢な体躯にコンプレックスを抱きながら、僕はそっぽを向く。 「先輩はそのままが一番です。俺が先輩の手となり脚となりま…」 「いっぺん死ねアホ」  ミステリーサークルと書かれた、プレートの付いたドアを開けて内へ入る。 「有栖川、今週末山梨の廃屋行くから、車出してね」 「今度は何処?」  先に来ていた大学2年の、山田直哉が雑誌を広げて見せた。 「ラ〇ホ」  そう答えたのは向かい側に座る3年の美樹茜。  ショートヘアの美人でモデル志望。  因みにミステリーサークルは全部で4人しか居ない。 「良いですね~どうせなら先輩と…先輩脚踏んでます」  元宮の脚を踏んずけた僕に、涙声で訴える。 「ああすまない。ゴキブリかと思った」 「ひど」
/5ページ

最初のコメントを投稿しよう!