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「先輩、せ~ん~ぱ~い」
背後からのっぽの後輩が、僕を呼ぶので立ち止まった。
僕は有栖川輝大学2年。
「サークル行くなら一緒に行きましょう」
コイツは大学1年の、元宮伸二。
書いて字の如く、伸び伸びと育った元宮は軽く190センチの、モデル並みの青年だ。
僕は隣を歩く元宮を見上げて、ひっそりと溜め息。
「何食ったらこんなデカくなるんだろう?」
「先輩が食べなさ過ぎなんですよ」
「お前が食い過ぎなんだよ」
母親譲りの女顔と、160センチ止まりの華奢な体躯にコンプレックスを抱きながら、僕はそっぽを向く。
「先輩はそのままが一番です。俺が先輩の手となり脚となりま…」
「いっぺん死ねアホ」
ミステリーサークルと書かれた、プレートの付いたドアを開けて内へ入る。
「有栖川、今週末山梨の廃屋行くから、車出してね」
「今度は何処?」
先に来ていた大学2年の、山田直哉が雑誌を広げて見せた。
「ラ〇ホ」
そう答えたのは向かい側に座る3年の美樹茜。
ショートヘアの美人でモデル志望。
因みにミステリーサークルは全部で4人しか居ない。
「良いですね~どうせなら先輩と…先輩脚踏んでます」
元宮の脚を踏んずけた僕に、涙声で訴える。
「ああすまない。ゴキブリかと思った」
「ひど」
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