次女。

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次女。

長女と違い、次女は人見知りが酷かったです。知らない人の顔を見ただけで反り返るほど号泣するのは当たり前でした。 保育園に一時保育で入った半年間、毎日お弁当でした。お迎えに行くと、遅かろうが早かろうが、必ず一時保育の先生が待っていて下さって、申し訳なさそうにお弁当を食べられなかったお詫びをされ続けました。 おむすび一つ食べられた時の先生の笑顔は今でも覚えています。 本人よりも私よりも先生が1番嬉しそうで、それがとても嬉しかったことを昨日のことのように覚えています。 どうにか食べてくれるように色々と工夫しました。 ミートボールやプチトマトをストローでくり抜き、そのくり抜いた穴に、これまたストローでくり抜いたチーズやハムを埋め込んでみたり。 うずらの卵でひよこを作ったり。ウインナーをどんぐりやキノコにしてみたり。 少しずつ食べてくれるようになり、先生が撮ってくれるカメラに目を向けてくれるようになった頃正式に入園が決まり、お弁当の日々は終わりました。 そんな次女、今では人見知りだった過去などまるでなかったことのように懐っこい子になりました。 ものの数秒で懐きます。すぐ手を繋ぎに行き、名前で呼び甘えます。 今も一時保育していただいていた保育園に通っていて、もう年長さんです。 一時保育の先生も変わらずいらっしゃいます。 時々お迎え時にお会いすると、「あの頃が嘘みたいですね〜」と先生と笑い合います。 次女の泣き叫ぶ声が園の外まで響き、その悲痛な縋る声を聞きながら私も泣きながら仕事に行っていたあの頃。 そこまで嫌なら休ませようか。他の園を探そうか。何度も何度も考え悩み、保育園に行きたくないと泣く次女を抱き私も泣きました。 それが今や自分から保育園に行きたいと言い、お友達と遊ぶ毎日を楽しみにしています。 明日はカニさんウインナー入れるけん保育園行ってみようか。 明日は梅おむすびにするけん保育園行ってみる? 一日一日を消化するようにしていた日々が懐かしくなるとは。 卒園式ではタオルを持参すると決めています。メイクしても落ちるけんせんでいいんやない?と長女が言うほど泣くことはもう決まっています。 大きくなるのは過ぎてしまえば一瞬に感じます。 遠い未来を見れば不安しかなくても、とりあえず明日、明日が今日になればまた明日。 少しずつの前進でも良かったと今思えるほど、次女はたくさんの人達の力をいただき頑張ってくれました。 えらいえらい。 保育園からの帰り、そうやって頭を撫でるのが日課です。 「今日もはーちゃんえらかった?」 「うん、えらいえらい」 日課です。
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