その手を貸して!

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真白を社長室のソファに座らせて仕事をする。 時々話をしながら、真白は嬉しそうな顔を向けてくれる。 「だから銀市さんはマンションを買ったのか?」 急な物件変更に急な引っ越し、不思議に思っていた事が納得出来た。 「はい。もしかしたらって話をしたので…。」 「そういう事、俺に最初に言わないか?普通…。」 「えっ?だって…間違いだと困るし、じいちゃん明日死んだら後悔するし…。」 なるほど…あれは簡単に死なないだろうと思いながら席を立つ。 真白の横に座り、手を取る。 「今日のお弁当も美味かった。だけどこれから無理はするなよ?多分な?料理しようとすると悪阻とかあると思うんだ。あと…次の診察、俺も行っていい?」 嫌がられると悲しいから先に聞いておく事にした。 「診察?」 「うん、心臓の音?聞かせてくれたりするんだろう?」 「…?ど、どうかな?心臓の音?そんなに早く聴こえるんですか?」 「心臓は聴こえるだろ?」 「……言われたら…そうですね?」 二人とも経験がないから会話もおかしくなり、思わず笑う。 「初めてだしな?二人で協力して行こうな?」 「はい…。よろしくお願いします。しろさん。」 「うん。」 昼の弁当の肉よりも真白はずっと甘いと思いながらぎゅっと抱きしめた。
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