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猿出没
「あ〜あ…なんて眼力だよ…あのじいさんは…。」
男四人が蛇に睨まれたカエル状態だった。
それでも社長である花村 士郎は何とか要件を伝えた。
「………知らんな?」
「し、知らないわけないでしょう?あなたが造らせた特注品で、番号も全てあなたの指示で…。」
花村 銀市の言葉に花村 士郎は詰め寄った。
「昔の話だしなぁ?………うん、そんな物を確かに注文した。したが…もう忘れた。番号は高梨に聞けば分かるかも知れん。あぁ、昔の歳上の方の高梨な?
聞いてみるといい。が……後は知らん!用が済んだら帰れ…。」
「えっ?ちょっと待って下さい。こんな遠くまで来たんですよ?挨拶と…。」
「だから!挨拶は受けた。ご苦労さん!三代目 銀十郎本舗はお任せする。どうか、良い会社にして下さい。遠くから来たからこそ早く帰った方がいい。ここで泊まりたくはないだろう?私はもう何も知らんよ?昔の事だ。」
言葉途中で言われて、士郎は退かざるを得なくなった。
戻って来て1週間、時間が出来れば悪態を吐く日々を送っていた。
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