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猿を飼う
「知らんぞ?泥棒なんぞしてないし、さっさと帰ってじいさんに聞いて来い!ついでに金庫の開け方も聞いて来てくれ!」
士郎はどうでもいいように投げやりに言う。
「申し訳ないがそうは行かない。じいちゃんはああ見えて怖いんだ。見つけるまで帰って来るな、見つければ分かるとじいちゃんが言うならそうなんだ。見つけるまでは帰れない。けど…確かにじいちゃんの親戚を疑うのも悪い気がするから、決定的な物を見つけるまでは迷惑を掛けないようにする。この会社に出入りする許可だけくれれば、勝手に探して終われば帰る。」
「…勝手に…探して?」
コクリと真白は頷く。
「アホか!!お前みたいな子供が!会社の中をウロウロして!勝手に探して?社員はなんだと思うだろうなぁ!!不審者だぞ!」
大きな声で怒鳴った後で、大きくため息を吐き士郎は頭を抱えた。
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