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真白
一人で置いておくのが心配で…もとい、不安で…佐野に電話を入れて直ぐ来てもらう事にした。
会社から迎えの車が出るから、それに乗って来る様に指示をした。
ピンポーン…とインターホンが鳴り、リビングからボタンを押す。
『おはようございます。佐野です。』
「開いてる。リビングだ。」
と答えて寝室に着替えに行く。
「おはようございます…。おお、見違えましたね?」
「おはようございます。…佐野さん、ですよね?」
「はい。花村様、小綺麗になられましたね。今日は一日、お世話させて頂きます。よろしくお願いします。」
「真白で結構です。こちらこそよろしくお願いします。」
(実に清々しい笑顔でいい挨拶です。元気で腰が低く…お辞儀も綺麗で丁寧です。これなら秘書も可能ですねぇ。誤解されそうな可愛さですが…はたちを過ぎれば男らしくなる事でしょう。)
佐野は感心しながら目の前の昨日まで猿と呼ばれていた少年を見た。
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