波岡家のサンタクロース

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波岡家のサンタクロース

瑞月がゲーム機本体で、将貴がゲームのソフト。睦月が新しい自転車で、達貴がサッカーボール…。 うーわー、全部足したら10万超える? 昨今のクリスマス商戦えげつなさ過ぎ。 ネットで最低価格を調べつつ、電卓を打つ。この年末にイタイ。けど、子どもたちには普段我慢させてるから、年に一度のクリスマスくらいは。 欲しいもの、買ってあげたい。こんなイベントも後数年だろうし。 パソコンの前で頭抱えてたら、志貴がお風呂から上がって出てきた。 寒いのにTシャツにハーフパンツ。髪はまだ濡れていて、肩にスポーツタオルが掛ってる。 もうアラフォーだってのに、相変わらず無駄にイケメンだし、ムカつくくらい、身体も引き締まってて、子ども4人も産んで、ライン崩れまくりの私からしたら、羨ましい限り。 「おーおー、悩んでんな、ママサンタ」 面白がりながら、志貴は私の隣の椅子に腰掛ける。 既に夜の11時過ぎ。子どもたちは皆寝てしまい、1日の中の僅かな夫婦の時間だ。 「うん、瑞月のプレゼントだけ、ネットだともう在庫なくてさ」 「フリマサイトは?」 「転売価格でなんて、意地でも買うか」 「あー、ウオッチ入れてたの、これ転売価格?」 志貴が私にスマホの画面を見せてくる。 「思いっきり、プレミアついてんじゃん!」 「何処のサイト見てもこれくらいだから、定価なのかと思ってた」 「……」 これだから男って…。
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