3 ニセ彼女始動

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ふわふわと緩いカーブを描いた髪が、ブラウンの眉が白い肌に柔らかな弧を描く。ピンクで彩られた目元は、可愛らしくて艶っぽい。ほんのり染まった頬、人懐こそうな笑みを浮かべた口元。う、控えめに言って、めっちゃ可愛い。 私や波岡より、2つくらい年下かな。 そして、きっと彼女が…。 「葉月、紹介する。こちらが副院長の服部昌行先生、――とその奥様の百合枝さん。あとの二人もお嬢さんの芽衣子さん」 だよねだよね、そうだと思った。だけど――波岡があんなに嫌がるから、よほど……な方が来ると思ったのに、すごい綺麗な人。見た目が極上なのに、性格が残念ていう、お嬢様なのかな。 ぼんやりと無責任な妄想をしてしまう。 「芽衣子さん、お久しぶりです。お元気そうで何よりです」 波岡の好青年ぶりっ子始まったし。 「お久しぶりです、志貴さん」 にこやかな笑顔を波岡に向けてから、芽衣子さんはちらりと私を見た。不安げなその視線だけで、彼女が波岡をどう思ってるのか、伝わってくる。 その彼女に波岡は残酷な嘘を告げた。 「紹介します。僕の彼女の水田葉月さんです」 真壁家の方では、半ばわかってたものらしく、諦めと苦笑いの空気が伝わってくる。そして、目の前のお嬢様は、一瞬大きく目を見開いて、驚いた顔をしたものの、すぐにまたさっきと同じような笑顔を作った。 「そうなんですね。とても素敵な方でお似合いです」 本心じゃないと思うけど、この状況で、そのアイドルみたいなスマイル、すげぇぇぇっ。
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