相田 修一

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その後の事はあまり覚えていない。 葬儀に沢山の人が来て、皆が私に可哀想という言葉を投げていく。 私は可哀想なんだ。 父の隣に座り、棺の中にいる母をずっとみてた。 その頃流行ってた怖い映画みたいに、生き返らないかな。 棺から這い出してこないかな。 そんな事を思っていた気がする。 死体でもいい。 私の傍からいなくならないで。 煙突から昇ってゆく煙を眺めながら、天国へ行ったんだよと父が言った。 母だった者は、その魂を失いただの器になり、業火に焼かれ、骨になり、小さな壺の中に入れられた。 私は、これからどうしたら良いのだろう。 その時は絶望と悲しみでしかなくて、愛しいはずの母を憎くも思えた。 どうせなら、連れていってくれたら良かったのに。 葬儀後、ポツリ呟いた言葉に父はキレた。 そんな事言うもんじゃない!! 母さんは、お前に生きて幸せになってもらいたいに決まってる。 お前は幸せにならないといけないんだよ。 泣いているのか、怒っているのかわからない口調で私の肩を掴む父は、愛する妻を失い娘にそんな事を言われて心底悲しかったんだろうと今更ながら思う。
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