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鎌之助が尋ねると、カイはすぐさま甚八の身体も調べ始めた。
すると驚いたように、突然声を張り上げた。
「伊咲!!
悪いけど、俺の部屋から解毒の薬を持ってきて!」
「えっ?!」
「ごめん、急いで!」
カイに言われるがままに、伊咲は震えを抑えてカイの部屋に走った。
解毒の薬ーーーカイが最近、調合していたものだ。
これまでのカイの作る毒薬には
誤って飲んでしまった場合に解毒する方法が存在していなかった。
しかし伊咲から、人を生かす薬を作ってみてはどうかと言われたあの日以来、
動物実験などで少しずつ研究を重ね、
自分の作るものや汎用性のある毒薬などを解毒するのに有効な薬を試作していた。
それを知っていた伊咲は、カイが前向きに研究に取り組んでいることを応援していたが
なにぶん人に毒を飲ませて解毒する実験はしていなかったために
人に対してその効果を発揮するのかは定かではなかった。
しかし、今はそれどころではない。
伊咲は、よく知るカイの室内の薬棚から解毒剤を取り出すと
すぐさま甚八の部屋へと引き返した。
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