真田心中

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「!…それは…」 甚八が問いかけようとした時、 お梅はそれを遮るかのように彼の唇を奪った。 「ーーー最期の思い出に、もう一度だけ私を抱いて。 あなたの温もりを感じながら死ねたら、 あの世へ旅立った後も寂しくないから…」 甚八はお梅に求められるまま彼女の肌に触れ、 膨らんだ部分から先端に至るまで あらゆる部位を愛し尽くした。 どこを愛してもお梅が気持ち良さそうに、 そして嬉しそうに反応することに 甚八はたまらない優越感を覚えたが、 これが最期なのだという寂しさも感じながら丁寧に触れて行った。 ーーー互いに全てを出し切った後 お梅は満ちたりた表情で、先程の毒薬を手に取った。 「この薬をあなたの口の中へ入れて。 私が舌でそれを絡めとるから、半分ずつに分け合えるでしょう?」 お梅に言われるまま、甚八が毒薬を口に含むと お梅は即座に甚八の口内を舐り尽くした。 そして甚八の意識が朦朧としてくるより先に、 お梅は苦しそうに喉元を押さえながら ばたりと倒れ込んでしまったーーー
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