308人が本棚に入れています
本棚に追加
「甚八って確か、お梅様のお兄様の紹介でここへ来たのよ。
お梅様とは昔馴染みの関係だったってことになるわ。
それにここ最近、お梅様は酷く落ち込まれていたでしょう?
きっと甚八はお梅様を気遣って、話を聞いたりしてあげていたのよ。
ーーーそれがいつの間にかねんごろの関係に…」
「六花、今は甚八の処遇に関して話しているんだよ」
すると、カイが優しく六花を嗜めた。
「かわいそうだとか、同情で解決する話じゃないんだよ、これは。
下手したら甚八は死罪になるかもしれないね」
「ーーーあ、あの…!」
その時、黙って皆の後ろをついて歩いていた伊咲が声を張り上げた。
「どうしたの、伊咲?」
カイが尋ねると、伊咲は意を決したように話し始めた。
「実は、お梅様が心中された原因は…もしかしたら私にあるかもしれないんです…」
最初のコメントを投稿しよう!