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「え?」
「どういうことだ?」
皆一様に、伊咲の言葉に戸惑いを見せた。
伊咲は皆になじられることを覚悟して、
自分の予言のせいでお梅が病んでしまったのではないかということを伝えた。
ーーーしかし伊咲が話し終えた時、
彼女を責めるような者はいなかった。
「伊咲は見えたものをただありのままに伝えただけだろう?」
「未来を予想して言葉にしただけで罪に問われるようなことがあるわけない」
「でも…!お梅様が心を痛めたのはきっと間違いなくてーーー…」
尚も伊咲が言おうとすると、カイが彼女の元へ近寄ってきた。
「ね、伊咲。二人で話そう」
「ちょっとカイ?!」
六花が止めようとすると、カイは
「六花ごめん。
他の皆もーーー少し、僕と伊咲だけで話をさせて」
と言って皆に目配せをした。
十勇士は、カイが態度こそ温厚なものの
性格は極めて頑固なことを長年の付き合いから知っていたために
カイに言われるまま二人だけにすることにした。
六花は顔を真っ赤にさせて居座ろうとしたが、
十蔵に腕を引かれて無念そうに去って行った。
「ーーーちょっと部屋の中で話そう?」
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