第8章 準決勝進出

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第8章 準決勝進出

監督の前に野球部員全員が集合している。 監督「暗徳義塾はうちと同様のタイプだ4番キャッチャー大西がドラフト最有力候補である。そして5番のショート小西もそうだ。目玉はエースの大垣でタイプや球種は海斗と一緒だだが海斗程球速はない。前の試合で鹿児島北実業と対戦し8対4で勝っている。戦略はカイリに任せる以上解散」 カイリ「六角君、海斗、山井はミーティングやるよ僕の部屋に集合して」 山井「え?俺も?」 カイリ「海斗に何かあった場合君が登板するんだ当たり前だろう」 そしてカイリの部屋に向かう。 カイリの部屋から女性の良い香りがする。 じゃぁ前の試合の動画を流すよ。 3人はその動画に見入った。 確かにうちのチームに似ているな守備に多少甘さはあるがいいキャッチャーがいる。 六角「しかしリードを見ていると内角に2球続けて投げて外に逃げるスライダーで三振を取るのが必勝パターンらしい。打撃の方は海斗最悪4番は3番が打ち取れたら5番は歩かせて構わない。」 海斗「まー打たれる気はしないが六角がそう言うなら」 六角「後は初回からランナーがいない場合創立シフトで行く三振より打たせてとる様なり配球とリードを俺が考える。球数は正直減らしたいんだ」 六角「このエースの大垣のボールに可也の選手が詰まらされている何か秘密でもあるのか?」 カイリ「海斗、イップスの疑いは大丈夫かい?」 海斗「ああ、実は死球を当てた立花選手に謝罪してきたんだその時に貰った助言のお陰で立ち直れたよなぁ山井副キャプテンは打者の顔色なんか気にしちゃいけねーそれは六角の仕事だ俺たち投手は六角のミットだけ見て信じてなげしゃいいんだ」 山井「そんなの昔からやってる事だぜ俺はエースだそんな当たり前の事俺にいうんじゃねーよ」 そして準決勝 私立創立学院高校対暗徳義塾 創立は後攻だ 試合開始(プレイボール) 「ウーーーーーーーー」 けたたましいサイレンの音と同時に試合開始。 「一番ファースト有吉君」 バッターは左打席に入る。 六角は内角高めの指示を出した。 「ズギュン」 「バシッ」 主審「ストライク」 サイレンの音が鳴り止む前に1ストライク取った。 2球目相手はバントの構えをしている。 六角は内角低目のサインを出した。 六角「海斗の内角低目の剛速球をバントしてもフェアにはなんねーぜ」 「ズギュン」 「コン」 そのバントはフライトなり一塁線を超えてファウルとなった。 主審「ファウル」 2ストライクと追い込んで流石にバントの構えはない。 六角は外角低目一杯にジャイロボールのサインを出した。 「ズギューーン」 「バシーーーン」 「ストライクバッターアウト」 この時の球速計が159キロを計測し球場が(どよめ)く。 その後の2番、3番も同様の配球でいとも簡単にスリーアウトチェンジ。 1回裏創立の攻撃 六角「海斗、あの配球は飽く迄も1順目だけだ2順目からは配球を変えていくこのレベルの高校の2巡目には同じ手は通用しない」 海斗「了解、了解、海斗了解」 「1番ショート宇佐美君」 宇佐美は左打席に入る。 投手はエース大垣 一球目は内角低目のストレート 「ズギュン」 「バシーン」 主審「ストライク」 宇佐美は考えた今の球確実に内角低目のストレート、制球力はある2球目も内角にくる高目か低目かは投げてから判断してからでも遅くはない。 二球目 「ズギュン」 予想通り内角攻めだ、内角高目のストレート 「カキーン」 ファースト正面の一塁ゴロ。 宇佐美の手は痺れていた、そうボールが途轍もなく重いのだこの球なら準決勝迄来たのも頷ける。 宇佐美「丸井、相手のエースの球超重いぞ必ず芯で捉えないと痛い重いするからな」 丸井「了解っす!!」 そして右打席に入る。 一球目 「ズギュン」 内角高目のストレート。 「バシッ!!」 丸井「六角さんの言う通りだ相手も此方と同じ配球できている」 「ズギュン」 矢張り内角攻めか内角低目のストレート 「カキーン」 丸井は瞬時に前足を後ろに引き体を開くオープンスタンスでボールをミートさせた打球は痛烈な当たりとなるが三塁手正面、サードゴロに倒れる。 丸井は3番の海斗にひそひそ話をする。 丸井「海斗さん配球はうちと同じですただ球が目茶目茶重たいので必ず芯で捉えて下さい」 海斗「おーあんがとよ」 海斗「来る球が分かってんなら貰ったも同然だな楽勝だ」 「3番ピッチャー花道君」 右打席に入る、 初球 「ズギュン」 初球は内角高め。 予想通りとカイトはオープンスタンスで肘をたたみ真芯で捉える。 「カキーン!!」 ボールは高々と上がってレフトが下がるもレフトがキャッチ。 海斗「角度が甘かったかしかし真芯で捉えてもボールが重すぎる俺の強烈なバックスピンのストレートと球質が異なり回転数が半端なく少ないこれが球の重さの秘密だ」 そしてお互い3社凡退が続き4回に入る。 六角「海斗内角攻め2球は変わらん最後の1球は右打者なら外に逃げるボール球のストライク左打者ならボールから外角一杯に入るストライクで決めるんだ内角攻めなら打たれてもそうそうヒットにならんそして追い込んだら外角でも必ず振ってくる」 そして暗徳義塾の4回表の攻撃。 「一番ファースト有吉君」 打者が左打席に入る。 一球目を投げるすると打者は瞬時にバントの構えをした。 「ズギュン」 六角「しまった、今守備は創立シフトだバントされたらアウトだ」 「コーン」 一塁側に強めにバントが決まる創立シフトで一塁手は二塁よりに守っている為捕球が間に合わない。 海斗が追いつきボールを捕球する。 六角「海斗投げるな!!間に合わない」 一塁審「セーフ」 無死一塁になる。 此処で六角は守備位置を元に戻すサインを出す。 「2番セカンド大山君」 此処は当然送りバントだろう。 海斗は通常のクイックでボールを投げる、必殺のスーパークイックと言うのがあるがあれは極限まで動きを軽量化している為海斗独自の大げさなバックスイングも封じて投げるため通常のクオリティの投球が出来ない。 ボールを外す位しかできないのだ。 しかしバッターはバントの構えはしてはいない。 だがそんなの海斗には関係ないミット目掛けて要求通りの球を投げるだけだ。 「ズギュン」 しかしランナーは走り出す、バッターはバントからヒッティングに入っている。 六角「バスターだっ」 「カキッ」 ピッチャーゴロだ。 六角「海斗ファーストだ」 丸井「ファースト」 本郷「ファーストだ!」 チップ気味な弱いボールが海斗の前に転がる六角達守備陣の声は届いていたが海斗は全力で走りボールを広いセカンドに投げる。 二塁で刺せる自身が海斗にはあった、通常のスタートと通常の高校生の足なら刺せただろう、しかしそのモーションは海斗には海斗には見えていなかった絶妙なスタートとその足の速さは六角含めて守備陣にしか見えていなかった。 セカンドに入った宇佐美が速攻でファーストに投げるも。 「セーフ」 六角「タイムをお願いします」 主審「タイム」 六角「内野集合」 六角「どうしたんだ海斗俺達の声が聞こえなかったのか?」 海斗「いや二塁で刺せると思い込んでてよ」 六角「お前からはランナーのスタートのタイミングも足の速さも見えないんだ俺達の声を信じて送球しろこれは基本的な事だぞ」 海斗「ああ、そうだな、悪かった」 六角「にしてもなっちまったもんはしょうがねー無死一塁二塁この場面は送りバントが濃厚だろう進塁は仕方ないから必ず一塁で刺して確実に1アウトとるんだいいなみんな!次の打者は前進守備で宜しくな」 そして守備陣は散っていった。 「3番ピッチャー大垣君」 内野は前進守備で打者はバントの構え 「ズキュン」 「コン」 六角「セカン!!」 三上「ファーストだ!!」 セカンドの丸井が捕球し一塁に投げアウト一死二塁三塁 「四番キャッチャー大西君」 右打席に大西は入る。 予定では此処は敬遠して満塁策をとるべきだったしかし六角は勝負を選択した。 これで失敗してもそれは結果論にしかならない満塁にしても次は有力ドラフト候補生のショートの小西、満塁にするよりマシだ。 そして1球目 「ズギュン」 そして1球目配球を変え打者にぶつかるようなボールから高速で変化し内角に決まるストライクを取りにいく高速スライダー。 「バシッ」 主審「ストライク」 そして2球目これは内角高めのストレート。 「ズギュン」 「カキーン」 大西のバッティングセンスなら海斗の内角ストレートは1度見たらもう通用しないボールはレフト前に落ちレフト飯島の強肩でレーザービームの送球しかし3塁ランナーは足の速い有吉、クロスプレーとなるが此処で走者の右足が上がって殺人スライディングとなり走者の右足が六角の胸に突き刺さり六角は吹っ飛ぶ。 これに球場は大ブーイングが起こる 「ブーブー」 「ブーブー」 主審「セーフ、セーフ」 監督が速攻で動いた主審に守備妨害のアピールをする、白地(あからさま)に上がった右足が六角を吹っ飛ばしたのだ。 しかし主審は... 主審「故意となら当然守備妨害になりますがスライディングする際バランスを崩し速度が落ちていますその状態でスライディングし必然的に右足が上がってしまったと判断しましたので判定はセーフで守備妨害となりません」 海斗「六角大丈夫か?」 六角「あぁ、プロテクターがなければスパイクが突き刺さって俺はもう試合に出れなかったかもしれないが大丈夫だ」 監督「念の為神月と交代だ」 六角「悠斗かならば仕方ない」 神月悠斗は六角が来る前に1年生で六角が来る前に正捕手を手に入れた男で現在は2年生で2番手捕手である。 リード、配球に身体能力も六角に引けをとらない。 身長185センチの大型捕手で主に代打要員でもある。更に六角が苦手なフレーミングの技術も長けており際どい球は全てストライクにしてしまう。 「5番サード小西君」 悠斗「しまって行きましょう」 退場する六角に5番打者の小西が謝罪する。 小西「六角君済まないね痛い思いさせてしまってでもうち《暗徳義塾》はフェアプレーの精神を徹底的に叩きこまれているんだ、だからわざとじゃないんだ」 六角「分かっているさ。実際スライディングの際有り得ない減速をしているのを目撃している気にしないでくれ」 一死一塁三塁 此処で本来ならスクイズを警戒するがバッターはドラフト有力候補生の小西は打ってくると確信した。 そして1点やる事位は覚悟していた 六角は1球目内角低目のストレートを要求した。 「ズギュン」 小西は一球目からバットを振ってくる。 カキーン内角をオープンスタンスで体を開いて上手く打ちレフトフライトなる。 タッチアップは余裕で成功し2対0と点差を広げられる。 「6番センター大丸君」 打者は右打席に入る 六角は一貫して内角攻めをして来たが此処に来て配球を変える。 外角低めを要求した。 「ズギュン」 そこにバットの先っぽが届き 「カキーン」 ファーストゴロとなる。 主審「スリーアウトチェンジ」 そしてゲームは動かず8回裏の攻撃。 相手の投手大垣の重い球に得点出来ず。 カイリ「たっ大変です!!大垣選手の投球制限が100球切っています」 監督「なっなに!?決勝の事を考えてないのか彼はドラフト有力候補選手だぞ」 六角「相手は優勝する事よりうちに確実に勝って決勝に進む心算(つもり)なんだ俺達みたいに優勝の事ばかり考えているより目の前の一勝を確実に取りにきてるこれじゃ俺達に勝てる訳がない俺がなんとかしないと、夢ばかり追いかけている俺達と違って向こうは明日を確実に見ている」 「4番キャッチャー神月君」 悠斗「此処は相手にとっても天王山何としても打つ!!!」 一球目 「ズギュン」 「バシッ」 主審「ボール」 悠斗「流石に警戒してるな最初は外してきたか」 二球目 「ズギュン」 これは外角低目に決まるスライダーだ 「カキーン」 主審「ファウル」 悠斗は見事にカットした。 悠斗は考えた次は球種は分からないが確実に内角に来ると。 三級目 「ズギュン」 きた!予想通り内角だ、そして高めを打ちにいく。 「カキーン」 レフトに放物線を描く強い打球が上がる。 レフト猛ダッシュで下がり構える。 そしてキャッチした。 「アウト」
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