第12章 国体開始

1/2

8人が本棚に入れています
本棚に追加
/23ページ

第12章 国体開始

私立創立学院対大阪桜蔭の1回戦 試合開始(プレイボール) 創立が先攻だ。 「一番ライト夢蔵君」 バットを2回振り左打席に入る 一球目 「ズギュン」 内角高めのストライク。 「カキーン」 詰まらされてセカンドゴロ 「2番セカンド丸井君」 初球 「ズギュン」 外角低目のスライダーこれには手がでない 「バシーン」 主審「ストライク」 二球目 「ズギュン」 内角低目のストレートこれを丸井は見逃さなかった 「カキーン」 ライト前ヒットで一死一塁 「3番キャッチャー神月君」 初球 「ズギュン」 外角に外れる高速スライダー 「ブーン」 「バシッ」 主審「ストライク」 二球目 「ズギュン」 内角高めのストレート 「ブン」 「バシッ」 主審「ストライク」 三球目 「ズギュン」 「ブン」 「バシッ」 主審「ストライクバッターアウト」 「4番レフト飯島君」 「ズギュン」 初球のストレートは甘く真ん中に入って行く。 「カキーン」 レフト前ヒット。 「5番ショート宇佐美君」 「ズギュン」 高めに浮いたスライダーを芯で捉える。 「カキーン」 レフト前ヒット 二死満塁。 「六番サード三好君」 初球 「ズギュン」 高めのスライダーに三好は手を出してしまった 「カキーン」 結果はサードゴロ。 主審「スリーアウトチェンジ」 辻村がマウンドに上がるその長身を活かしたストレートは最速155キロ 「1番サード大村君」 右打席に入る。 初球 「ズギュン」 外角低目に決まる横のスライダーだ。 「カキーン」 ライトオーバーの二塁打だ。 「2番ショート里美君」 「ズギュン」 内角高めのストレートだ。 「カキーン」 センターオーバーの二塁打で1対0 その後猛攻が続き創立は一挙7点をとられた。 悠斗「海斗さん投げてくれませんか?」 海斗「いや遠慮しておくこの試合はお前達の試合だ尻拭いは御免だぜ」 悠斗「そ.そんな」 そして試合結果は19対0と圧倒的な点差で敗れた。 悠斗は号泣した。 悠斗「何で.何で」 六角が駆け寄る 六角「優勝するんじゃなかったのか何だこのザマは試合にもなってないじゃないか」 悠斗「す、すいませんでした俺達がこんなに力が無いとは」 六角「いや違う野球のポテンシャルなら相手の大阪桜蔭よりお前達の方が上だ、断言するお前達は強い、だが一つ欠点がある圧倒的な練習不足だ俺は大阪桜蔭にいたから知っているが今のお前らの倍以上は練習してるぞ1年間続けてなだから俺はそれ以上の地獄の練習メニューを1年間皆とやって来たんだ」 六角「勝ちたいなら俺のやってきた練習メニューを(こな)せ!あれは無駄に体力つけるだけじゃなく辛い思いしてここぞと言う場面で失敗しないメンタルのトレーニングなんだそれを(こな)せばお前等は(もっと)強くなる。戦力だけは横浦さん丹波さんの世代に俺達の世代と同様にお前等も黄金の世代だ」 悠斗「分かりました。俺達が国体に負けて六角さん達3年生を引退させてしまって申し訳ありませんでした、卒業する前にうちのチーム対3年生で試合をして貰えませんか?」 六角「いいだろう皆問題あるか?」 海斗「俺はねーぜー勿論負ける心算(つもり)はねーがな」 悠斗「それと六角さんには言いたい事が沢山あるんですよ何故甲子園で俺を少ししか使ってくれなかったんですか?俺は野球をやる為に決して裕福ではない両親が何とか学費や部費を作ってくれてそれで甲子園のベンチ入りしたのにテレビにも余り映らない、親に頑張ってる姿を見せたかったんですよ。辻村だってそう思ってます記念じゃないですけど余裕のある一回戦とかにフルにだしてくれれば、一回戦は余裕で勝ってたんですよ?何でですか」 六角「済まない悠斗俺が悪かった俺の口から直接説明するべきだった。全国制覇という目標を掲げた俺はそれしか頭になかったんだ。だから最少人数の精鋭部隊で試合に臨みたかった。お前は俺と同じキャッチャーだだから俺がいる限り出番はない初戦の試合も楽に勝てたが甲子園は一戦一戦大事な試合何だよ、だから彼処(あそこ)でお前等を使う訳には行かなかったのさ。俺はキャプテンとして成功は収めたが同時に大きな失敗もしている。お前の様な部員を大事にしてやれなかったからな」 悠斗「六角さんの苦悩は分かりましたよ、これからは俺達で上手くやって行きます」 そして翌々実の秘密特訓にて。 レイリ「悠斗さんが六角さん以上の過酷な練習をしてるんですよ死に物狂いです」 海斗「それ位やってくんねーと本当に甲子園優勝何て無理だぞ」 レイリ「お陰で退部する部員が続出です、それでも悠斗さんに付いて行くってメンバーが残っています」 海斗「退部者が続出するのも今に始まった事ではない六角の時もそうだったんだ篩に掛けられれてんだよ宇佐美や飯島に丸井は残ってるんだろうな?」 レイリ「勿論甲子園出場組みは六角さんの地獄の様な練習に耐えてきたメンバーですからね!!残ってますよ今は朝連で朝4時集合で結構私もキツイですよ」 カイリ「僕もそれやってたけど然程生活に問題ないよ夜良く眠れて快適な生活だったなぁでももう僕が部活に顔を出す事はもう許されないんだ」 海斗「そんな事ねーぜ偶には顔を出して先輩として助言してやるのも良いと思う俺達は甲子園の優勝旗を持って帰ってきてるんだ」 そして10月のある日、時間は朝四時カイリと海斗は部活に顔を出した。 早朝から全員がグラウンド内回り100周走ってる。 六角が考えた練習メニューだ。 悠斗「おいおいちんたら走ってると練習する時間なくなっちまうぞキビキビ走れ!」 そして暫くすると投球練習が始まる守備陣はシートノックだ。 そこで何と宇佐美が投球練習をしている。 海斗「宇佐美!どういう事だ?」 宇佐美「今の投手事情だと最低でも投手3人は必要と言う事でピッチャー経験者の俺がクローザーやセットアッパーで使われる事になったっす」 海斗「悠斗っ宇佐美のピッチングはどうだ?」 悠斗「制球力は辻村以上で変化球の数もカーブから縦スライダーにフォークにチェンジアップを投げます何で今までショートだったのか不思議ですよ」 海斗「宇佐美がピッチャーやってる時はショートだれが入るんだ?」 悠斗「辻村です彼はシニア時代ショートを守ってましたただその体格の良さを買われ高校で投手に変更したんですよずっとバッピでしたけどね」 其処へ辻村がやってくる。 辻村「カイリさん俺の新しいストレートを見てくれませんか?ジャイロです」 カイリ「いいよミットを貸して頂戴」 そして5~6球キャッチボールをするとカイリは座る。 カイリ「OKだ投げてきな!!!」 「ズギュギュン」 「バシッーーン」 カイリ「もう一球構えた所へ投げて来て」 「ズギュギュン」 「バシーーーン」 カイリ「うん合格だ。丸で昔の海斗を見ている様だよ球速も150キロ以上は出ている」 悠斗「実は今度の土曜日浜横高校と練習試合があるんです海斗さんにカイリさん六角さんを連れて見に来てくれませんか?」 海斗「ああ良いぜ!!国体みたいな無様な試合展開にはするなよ」 そして土曜日がやってきた海斗、六角、カイリの三人は浜横高校がある能見台に向かう。 少し遅れての見学だ。 スコアボードを見て驚愕する。 六角「3回裏で何3対0で勝っている!?」 二死一塁で悠斗はキャッチャー辻村がピッチャーだ。 二死だから送りバントはないバッター勝負だ。 此処で悠斗はランナーのリードが大きい事に気付いていた。 「ズキュン」 外角低め一杯 主審「ストライク」 と同時に体は正面を向け一塁を見ないで矢の様な牽制球をキャッチャー悠斗が投げた。 一塁審「アウトチェンジ」 六角「あんなトリックプレーを何時の間に、しかも座ったままライナーで牽制球を投げたぞ」 そして4回の表浜横高校のピッチャーは水木投手。 カイリ「あれは水木投手、今年の夏白川投手と二人で神奈川予選を投げてきた身長192センチの超大型右腕だよあれから3点も取ったのか!?」 「2番セカンド丸井君」 「ズギュン」 丸井はストライクを取りにきた浮いた高速スライダーを見逃さない。 「カキーン」 レフト前へ運んだ。 無死一塁。 此処は強豪の浜横高校が相手だ当然送りバントだろう。 「三番キャッチャー神月君」 悠斗はバットを三回振って打席に入るもバントの構えは無い。 海斗「バントしないで勝負か!?内野に転がしたらゲッツー《ダブルプレー》だぞ」 六角「まぁ見てろよ悠斗は甲子園でマスクは一度きりだったが俺が認めるナンバー2の捕手で打撃も凄いんだぜ」 初球 「ズギュン」 内角高め一杯かと思いきやボール一個分外れている。 六角「あの主審良い目をしている浜横高校のコーチか誰かか!?それを見極めた悠斗の目も凄い」 二球目 「ズギュン」 今度は140キロで内角から縦に落ちるスライダー悠斗はピッチャー側にギリギリ立って構えておりこのボールの変化し始めた瞬間を狙った。 「カキーン」 ボールはレフトオーバーランナー二塁三塁となる。
/23ページ

最初のコメントを投稿しよう!

8人が本棚に入れています
本棚に追加