第7章 山井の奮闘

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第7章 山井の奮闘

野球部選手が全員集合している。 監督「知っている選手もいると思うが次の相手は沖縄商業だエース沢村はナックルを投げるがこのボールは手を出さなくて良いと思っている。そして先発は山井、残り準決勝と決勝の先発は海斗でいくそれとマスコミの取材も増えてきているくれぐれも慎重に対応してくれ以上、解散」 六角「カイリ、山井、海斗は明後日の試合に向けてテレビが見れる部屋でミーティングだ」 山井「明後日投げるエースの俺とMGだけでいいんじゃねーか六角」 六角「海斗がクローザーで投げるかも知れないからな」 山井「俺は海斗が嫌いなんだよお前エースは真逆(まさか)自分だと思ってねーよな」 海斗「はいはいエースは山井副キャプテンだよ俺はエースとか興味ねーから、だいだい俺はお前が投げてるとき大人しくライト守ってるだろ?」 山井「じゃあその背番号1俺によこせよな」 海斗「背番号で選手登録してると思うからそれは無理だな俺がエースは山井って認めてるからいいじゃねーか」 海斗は入学当初から無名で入部してきた山井の努力を誰よりも知っており努力の天才と尊敬している、心の底からそう思ってるのだ。 山井も山井で海斗の苦悩や努力を嫌と言うほど見てきた結局お互い尊重しあっているのだ。 六角「お前ら本当に仲悪いなだから部屋割りもわざと離してあるんだぞ」 そしてカイリが動画を再生する。 カイリ「先ずエース沢村のピッチングを見てください変化球はストレート、カーブ、縦に落ちるスライダー、そしてナックルです」 カイリ「で監督はナックルは捨てろって言ってたけどファウルにして兎に角 球数投げさせて拾うに追い込むんだナックルは特殊で投げた瞬間分かる球速は最速110キロ程度で非常に握力を使うから前半で潰したい2番手の投手は予選レベルの大した事ない選手だよ」 カイリ「じゃあバッティングの方を見てみようか選手全員目は良いそれに打球が痛烈でエラーを誘う、バットを沢山振って来た証拠だ」 カイリ「しかし事を順調に運べば勝利出来るよ」 そして解散した。 そして翌日カイリが訪ねてきた。 カイリ「ねー何で山井とあんなに仲が悪いんだい?」 1年生の頃無名だった山井は尋常ない努力と人望の暑さで副キャプテンになった努力は人一倍してきた。 グラウンドで100周走れと言われれば必ず101周奴は走ってた。 素振り1000回の時も奴は1001回振って来た。 バッピ《バッティングピッチャー》も率先して投げてきた。 当然俺よりも練習してる、だが俺の方が注目されている。 カイリ「山井にそんな過去があったとはね」 海斗「山井は俺の事嫌いだが俺は嫌いにはなれないんだ」 海斗「まー山井の事は忘れてカイリ今日は一緒に過ごそうぜ」 そりて翌日第四回戦 私立創立学院高校対沖縄商業だ。 試合開始(プレイボール) 私立創立学院は後攻。 ピッチャーは山井。 「バッター一番ショート小野寺君」 打者は右打席に入る。 初球 「ズギュン」 六角のサインは内角低めに決まるシンカーだ。 「カキーーーン!! バッターは難なくレフト前ヒットを放つ。 「2番サード池山君」 前回と同じコースで攻めるも送りバント内野は前進守備のため難なく1ナウト。 一死二塁。 3番ファースト「山之内君」 六角「相手は右打者で三番打者だが外角のつり球スライダーで仕留める。 「スギュン」 ボールは要求通りに来た。 「バシッ」 球審「ストライク」 六角「もう一球同じコースだ」 「スギュン」 「カキーン」 痛烈な打球ライトオーバーぎりぎりの所を海斗がジャンピングキャッチで仕留めた。 しかし二塁ランナーはタッチアップ三塁へ進む。 六角「馬鹿な何と言う身体能力だ彼処(あそこ)まで運ぶ何て!!」 山之内「うちのクリーンナップは同じ球は通用しないぜ」 二死3塁 「4番ライト佐藤君」 六角はまたもや外角低めに決まるボールを要求した。 このバッターは初球から振ってくる情報は入って来ている。 六角は敬遠して二死一塁三塁にして守りやすくするか迷った。 この二死一塁三塁と言うのは守備として嬉しい状況だ二死だからサードランナーは気にせず内野ゴロを転がしたらセカンドでもファーストでも投げればスリーアウトチェンジなのだから。 (しか)して六角は歩かせる心算(つもり)でくさい所をつく勝負を選択した。 内角低目に沈むスライダーだ 「ズギュン」 「カキーン」 勝負は裏目に出たそれはライトオーバーの二塁打となり1点を先制される。 六角「タイム」 主審はタイムを認めた。 主審「タイム」 六角「下位打線は今と同じ配給を俺は要求するそしてそれ意外はストレート、チェンジアップで緩急付けた投球に切り替える。 そして5番バッターピッチャー池内を敬遠し6番バッターで勝負する。 二死一塁三塁 「6番キャッチャー石田君」 六角の予想通り下位打線はシンカーで詰まらせたり外角のつり球でセカンドゴロ1回の表が終了した。 山井「皆すまねぇ1点取られちまった」 六角「お前のせいじゃねー俺のリードミスたお前は全く悪くねーよ」 海斗「そうだぜ1点位この裏で返せる。 「一番ショート宇佐美君」 宇佐美は練習前の沖縄商業の守備練習で守備の甘さを知っていた。 沢村1球目を投げたこれはストレートだ、 「ズギュン」 「コン」 待ってましたとばかりに宇佐美のセーフティバントが決まり無死一塁。 「2番セカンド丸井君」 初球 「スギュン」 「コン」 送りバントだ丸井はアウトになったが1死2塁 「三番ピッチャー花道君」 海斗は狙い球を絞っていた。 沢村の1球目はナックルだ。 「ズギュン」 「バシッ」 主審「ストライク」 此処で海斗は違和感を感じた確かにナックルだが打てないほど変化していない流石にベストエイトまで来て疲労しきっているのだろう。 沢村の2球目 「ズキュン」 「カキーン」 狙い球のストレートだライトーオーバーのスリーベースヒットで宇佐美が帰ってきた スコアは1対1となる。 海斗は六角の元に行く 海斗「おい六角ナックルは捨てろと話だったがあの変化はナックルとは言えないお前の選球眼ならヒットも可能だ」 六角「ああ俺もバッターサークルで見ていたよ予想外の展開だ俺の選球眼なら長打を打てる!!狙っていくよ」 「四番キャッチャー六角君」 沢村の第一球目 「ズギュン」 ボールはナックルだ。 「カキーーーーーーーン!!」 変化が大きくないナックルを選球眼のある六角は真芯で捉えたライトスタンドに巨大な放物線を描きスタンドインする。 2ランホームランだ スコアは3対1となる。 「五番サード三上君」 相手投手である沢村はナックルを捨て速球とスライダーのみの投球を組み立てる。 「ズギュン」 内角低目に決まるスライダー。 「カキーン」 ファーストフライで1アウト沢村は投球の配給を変え六番の国分寺をショートゴロ7番の本郷をライトフライに打ち取られてチェンジとなる。 次の回も創立学院高校は無得点となった。 5回バッターは沖縄商業のクリーンナップからだ。 「3番ファースト山之内君」 このクリーンナップには煮え湯を飲まされた。 だが俺達が此処まで来たのは伊達じゃない。 六角は横に動く変化球をほぼ捨て緩急を付けたピッチングに変更した。 この山井のピッチングに創立ベンチは驚く事になる。 六角は内角高めにストレートのサインを出した。 「ズュギューン」 「バッシーン!!」 球審「ストライク」 創立ベンチは目を疑った。 球速計が157キロを計測した。 海斗「六角が付きっ切りで練習して山井が急成長しているとはこのことか」 第2球目外角低目のチェンジアップ120キロ程の投球にタイミングが全く合わず。 主審「ストライク」 そして3球目 「ズギューン」 外角低目のストレート 「バシッ」 振ることすら出来ず立ち尽くした、球速は158キロを計測。 主審「ストライクバッターアウト」 「四番ライト佐藤君」 山井「4番だろーが俺の剛速球は打てねぇよ」 初球 「ズギュン」 ストレート内角高め。 「バシッ」 主審「ストライク」 バッター佐藤は反応出来ず。 そして2球目も同じ内角高めの剛速球を六角はサインで出した。 流石に4番佐藤に同じ球は通用しない。 「ズギューン」 「カキーン」 球威と内角高めのコースの為バットの根元に当たりサードゴロとなる。 「5番ライト池内君」 そしてバッターはピッチャー池内左打席に入る。 六角からの指示は外角低目のチェンジアップ。 六角は池内がネクストバッターズサークルで必死に山井の剛速球にタイミングをあわせるのに必死になっているのを見ている。 この裏を書くのだ。 「ズギュン」 池内「何てこったチェンジアップか!全然タイミングが合わないし更に落ちてくる」 「ブンッ」 「バシッ」 空振りだ 主審「ストライク」 今度こそストレートが来るとヤマをはるも六角はその裏を書いていた、内角低目もボールになるチェンジアップだ。 「ズギュン」 「バシッ」 主審「ストライク」 池内は3球目の今度こそストレートが来るだろうと踏んでいた今の創立には一球外すというプレイは存在しない 「ズギュン」 「バシッ」 主審「ストライクスリーアウトアウトチェンジ」 そして9回の表山井の体力は相当削られていた元々クローザーのポジションだが9回まで3対2で投げ抜いたのだ。 しかし9回の表はクリーンナップからだ。 「3番ファースト山之内君」 六角は外角低目のストレートを要求した。 チェンジアップを想定した山之内は。 初球。 「ズギュン」 「ブン」 「バシッ」 空振りだしかし山井の急速は140キロ前半まで落ちていた。 二球目 六角は嫌な予感がして一球外した。 「ズギュン」 主審「ボール」 六角「ボールになる釣り球外角低目のチェンジアップだ」 「ズキュン」 しかしタイミングは外した物のボールが落ちない 「カキーン」 ショートライナー宇佐美が横っ飛びで抑える。 六角「1アウト1アウト後二人」 「四番ライト佐藤君」 そして六角は内角低めにストレートを要求する。 「スギュン」 「カキーーーン!!」 140キロも出てない内角低目のボールは淡白(あっさり)ミートされる。 レフトオーバーの二塁打だ。 六角「タイムをお願いします」 主審「タイム」 六角「山井お前の仕事は終わりだ気迫のピッチングで良く1点に抑えてくれた」 山井「俺はまだまだ行けるぜ」 六角「この試合は甲子園のベスト8の試合何だ!!急速が140キロ前後まで落ち込んだお前はもう無理だ!!それに1週間に500球と投球制限がある、この先海斗が不味い状態になったらお前しか甲子園を投げれる人間はいないんだ」 山井「これはチームの為だ仕方ねー」 監督がやって来たメンバー交代の指示を出す。 「私立創立学院選手の交代をお知らせしますピッチャーの山井君がライトに入りライトの花道君がピッチャーに入ります」 海斗「山井!!」 山井は無言でカイトのグローブにボールを入れた。 無言でも山井から「頼むぞ」という台詞は伝わってきた。 山井は海斗の事は嫌いだが二人の心は伝わっている。 そして山井は甲子園最後の当番になるかも知れない今日の投球でピッチャーズプレートに手を当てて暫く動かなかった。 海斗「何だ山井!記念ですか?」 山井「あぁ記念だこれで投げるの最後かも知れねーからな俺が次もし投げるとなったらチームがピンチの時。俺が投げないって事はチームにとって良い事なんだよ」 そう言うと下を向きライトに歩いていく。 六角「下なんか見てんじゃねー立派に仕事を果たしたんだ胸を張れ」 そうだ俺は仕事を果して海斗に繋いだ堂々としていいんだ、六角は堂々とライトの守りにつく、スタンドからは惜しみない声援が贈られた。 そして練習球を終え勝負に入る 「5番ピッチャー池内君」 六角は内角高めに全力のジャイロを要求した。 「ズキューーン」 「バシーーン」 球審「ストライク」 球速計は163キロを計測した。 球場が(どよめ)く。 山井「これは嫌味か!俺は全力出しても160キロ届かなかったんだぜ」 二球目 「ズギュギューーン」 球審「ストライク」 池内「ばっ馬鹿なこんな球見た事がないしかもこれはジャイロボールだ」 三球目は六角は外角低めにストレートのサインを出した。 「ズギュン」 「バシーーーーン」 球審「ストライク」 池内「あの速度で外角低めに決められたら手が出せない」 四球目 「ズギュン」 六角は真ん中からボールに外れる高速スライダーのサインを出した。 「スギュン」 「ブン!!!」 「バシッ」 主審「ストライクバッターアウト」 「六番キャッチャー石田君」 六角は内角真ん中のチェンジアップのサインを出した引っ掛けさせて討ち取る作戦だ。 初球 「ズギュン」 「カキーン」 サードゴロだ三上が難なくさばいてアウト 主審「スリーアウトゲームセット」 相手チームは泣き崩れていた。 山井は言う。 山井「甲子園に来てお前等が一番強かったぜ」 「全国制覇してくれよ」 山井「勿論だ」 甲子園に来てからは沖縄商業が一番強かったが全体を通すと矢張り浜横高校の激戦が一番辛かった。 監督「皆お疲れ様次の試合の相手が決まったぞ高知代表の暗徳義塾高校だ。 カイリ「暗徳と言えばうちのタイプと最も近い高校ですね優勝予想でAランクに指定されていてドラフト有力候補生が3人もいる」 監督「今回の投球で山井は一気にドラフト有力候補生に上がるだろう暗徳は正にうちと似たタイプだ」
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