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そんな光希を私は変な目で見つめると、光希は私の前の席の椅子に座り、私の机に頬杖をしてくる。
「なに、どうしたの?なんかいつもと違うよ?」
「ふふん。そりゃあね!」
可愛らしい笑顔はいつも通りだけど……でもどことなく違うというか……違和感がある。
怪しげに光希を見つめていると、光希は一つ頷いて頬杖をやめて私の目をしっかりと見つめた。
「明莉。俺はね、未来からやって来たんだ」
「は、はい?」
「未来からやって来たの」
や、やばい……光希がおかしくなってる。
いや、部活中に頭でも打って、それで帰れと指示されて教室に来て……これから病院へ?
先生にちゃんと診てもらわないと、これは大変だ、かなりの重症だ。
「ははーん。明莉ってば俺を信じてないな〜?」
「当たり前でしょ?!そんなのでからかっても、全然引っかかりません」
「じゃあ、うーん……そうだ!明日明莉は遅刻しそうになります。そしてお財布を忘れて、お昼ご飯にありつけません。それで午後の授業でお腹が鳴って、みんなに笑われます!」
「光希、私のこと馬鹿にしてる?」
「してないしてない!これ本当だから!」
ブンブンと両手を左右に振って、全力で否定してくる。
この仕草は、本当に嘘をついていない時の仕草だ。
素直すぎる光希だから、行動全てに現れるのを幼い時から知っている。
でもこればっかりは信用できるわけがない。
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