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「おっ……」 楓が慌ててスマホを取り出した。 「姫からだ。 ウエディングドレスでピアノを弾くから、撮影しろって呼び出された」 「大変ね。いってらっしゃい」 走りだした楓に、感情なんて何もこもっていない言葉をかけた。 「リラさん、またね。忘れないでよ」 「余程お気に入りのシャツとジャージなんだな」 蘇枋は楓の未練がましい態度を見て、そう思ったらしい。 忘れないでね。 速攻、忘れるさ! なんだか、嫌な予感がする。 まだまだ、私は前途多難なんでしょうか? 私の人生に幸多かれ!
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