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何処へ行くとも言わず私の肩を抱いたまま歩く安達くん。
「あのぉ…」
「時間ないから後にして。」
「はい…」
って何の時間?
しかもめちゃ歩くの早くて私なんか競歩みたいになってるし。
それに何となくさっきから怪しいネオン街の通りに差し掛かったんだよね。
やっぱり、そういう所行くのかな?
急に安達くんが立ち止まったので勢いよく頭を下げて言う。
「ごめん。安達くん、私初めてなの。」
「そうなの?参ったなぁ。」
やっぱり、そうだよね。
噛みつき女の処女なんて要らないよね?
ゆっくり顔を上げると
「とにかく、時間ないし中に入ろう。」
うっ…
安達くんってかなり肉食なんだ。
まぁ私もこれでいよいよ長年の足枷が取れるし安達くんがそういうなら……
けれど安達くんが入ったのは、いかがわしいネオンの建物ではなく。
その隣にあるとってもラブリーなピンクの建物へと入っていった。
なに?
ここもラブホなの?
こんなかわいい感じのホテルもあるんだ。
へぇ…って感心しながらまっピンクの通路を進むとーーーその先にはものすごくメルヘンな世界が広がっていた。
「安達くん、説明求めてもいいかな?」
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