プロローグ

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プロローグ

********  スマホからLINEの通知音が鳴っている。 彼女は、少し面倒臭そうにスマホを手に取ると、 しばらく画面をじっと見つめていた。   画面に記されていたのは、 彼女のクラスメイトの斉藤友佳(さいとうゆか)が、 今夜遅くに、マンションから 飛び降りて死亡した…という学校の クラスのグループLINEでまわって来た連絡だった。 それは事故ではなく… 自殺だったようだと、LINEで皆ざわざわしている。 しかも、友佳が飛び降りたマンションは、 友佳を小学校の時からいじめていたグループの リーダー的な存在である山崎瑞希(やまざきみずき)が 住んでいるマンションだったからだ。 マンションの屋上で、友佳が残した 遺書が書いてあるノートが見つかったと 朝からテレビの情報番組で報道されていた。 そして… そのノートには、 友佳をいじめていたグループの生徒全員を 必ず半年以内に呪い殺してやると 血文字で書かれていたそうだ。 この物語の主人公である 彼女の名前は、影野闇子(かげのあんこ) 年齢は17歳になったばかりだ。 会社を営んでいて、かなり裕福な 母方の叔父夫婦のお陰で、私立のお嬢様学校に 幼い頃から通わせてもらっている。 ピチピチというには程遠い、 どちらかというと、根暗な女子高生に見える。 何故、彼女の名前が『闇子』なんて 暗い名前になったのかは… 彼女が3歳の時に、 交通事故で死んでしまった両親に 彼女も聞けるものなら聞いてみたいと思っている。
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