プロローグ

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初恋の思い出は美化される。 悲しい記憶も切ない思い出に変わり、いい思い出だったのだろうと納得させる。 そんな淡い恋も何年も経つと...。 人はいつから純粋さを無くすのだろうか。 誰かを好きになりその想いを美化させ、それが純粋な恋心だと錯覚する。 大人になればなるほど愛し方に差が出、表現の仕方は千差満別になる。 “愛してます”と言葉にすることは気持ちが乗れば難しいことではない。 でも、それを相手に分からせることはとても難しいことなのかもしれない。 相手は自分と全く違う生き物であり、頭の中で考えていることも十人十色だ。 あぁ言えば、こう返ってくるという方程式は一つも成り立つものではない。 分からないからこそ面白く、難しい。 理解しようとすればするほど理解し難いものになっていく。 それほど男と女という生き物は違い過ぎて、本当は誰も自分自身さえも理解出来ていない。 何かに流され何かに感じ、何かを思い出して何かを求める...。 人という生き物は欲望にまみれ、欲望を満たすために行動する。 欲するものが多ければ多いほど、人は考え誰にも読めない行動を突然起こす。 そこに若さが加わると...人は獣に変わる。 .
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