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急いで車に乗り込んだ。
桜田さんに見つかったことにこの先過去と同じようないじめ...いや、それよりも酷いことが起こってしまうのではないかと考える。
自分の生い立ちや髪の色など比べものにならないくらいの何か...。
司からの電話での冷たい視線、食堂で秋夜に話し掛けられた後の机の落書き...。
前の学校では噂され遠巻きに痛い視線を浴びせられ聞こえるように陰口を叩かれただけで済んだ。
孤独だったし心も痛みもしたが...。
(どうしよう...岬くんに相談...でも、あれだけ忠告されたのに言えない...)
悩んでも解決出来ない対処に俯き溜息をつく。
そんな静かな車内に一際軽やかに聞こえるメールの着信音が鳴った。
｢あっ...｣
《天野さん、今日は誘いを受けてくれて嬉しかった。3日、楽しみにしてる》
秋夜からのメールだった。
不安だった気持ちが一瞬で消えた。
それほど雫には秋夜との約束が嬉しくて楽しみで、この気持ちを無かったことにしたくない。
携帯を胸に抱き雫は思った。
(何があったっていい...怖くない...)
．
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