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調度その頃―――。
―電話(葵&希美)―
「着信?のんからだ。もしもし?」
『あっ…葵、今大丈夫?』
「うん、大丈夫だよ~。どうしたの?」
『あのね…理奈と聡、先に帰っちゃったじゃない?二人に何かあったのか聞いても“急用が出来た”ってはぐらかされるのよ。葵は何か知らない?』
「あぁ……えっと……」
ユーヤ…教えても良いよね?
「公園で、理奈が…聡にキスした所を、ユーヤと見ちゃったんだ」
『えぇッ…!? り、理奈が…?』
「うん……。るぅは、ご家族の事で今ツラい思いをしているのに 更にツラい目に遭わせたくなくて……二人を先に帰らせたんだ」
『そうだったの……』
「二人を一緒に帰らせたの…間違いだったかな……?」
『いえ……大丈夫だと思う。るぅには 理奈の事 話してないよね?』
「勿論、何も話してないよ!! るぅを傷付けたくないし!!」
『うん……』
「のん…ウチラはどうすれば良いかな……?」
電話の向こうから『う~ん……』と、希美の唸る声が聞こえた。
『もし理奈が間違いを起こそうとしているなら、私達は理奈を止めるしかないわ。るぅの事は……』
「るぅの事は……?」
『今はご家族の事もあるし……出来る限り、傍に居てあげましょう。もしも るぅが助けを求めて来たら出来る限り、協力する。私達に出来る事は…それだけしかないわ……』
「うん……分かった!!」
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