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カオスキメラの獅子が雄たけびを上げ、五体の蛇頭を順々に柊吾へ向かわせる。柊吾は冷静に一体一体の軌道を見極め回避。隙の出来た五体目の首を斬り落とす。
「グオォォォッ!」
カオスキメラの獅子が短く叫ぶが攻撃の手を緩めず、四体の蛇が方向転換し、柊吾の周囲四方向から一斉に襲い掛かった。
――バシュゥゥゥゥゥッ!
柊吾はバック噴射で大きく後退し避ける。すると、蛇たちはそのまま高度を下げ、ヤギがブレスを放った。
柊吾はその場で滞空し左腕をブレスへと突き出す。
「アイスシールド!」
巨大な氷結の盾でブレスを受けるが、その威力はイービルアイのレーザー以上。激戦を前に呆然と佇む討伐隊へ、柊吾は力の限り叫んだ。
「今のうちに負傷者を救出してください!」
「っ! 恩に着るっ!」
我に返ったクロロが叫び、カオスキメラの足元に倒れる仲間へと駆け寄った。他の騎士たちもそれに続き、その中のリーダーらしき長身の男が叫ぶ。
「魔術班は詠唱を開始! オガの救出が完了次第、魔法をカオスキメラの足元へ放つんだ!」
紺のローブを纏った魔術師三人が長い杖を頭上へ掲げ、魔力を溜めていく。
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