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そんなあるとき、たまたま孤児院の使いで来ていた商業区の鍛冶屋『シモン』との出会いが柊吾の魂を再燃させた。久々で、しかも異世界の『ものづくり』に魅せられた柊吾は、武具の製造・強化方法を一心不乱に学び、ある設計図を完成させる。
「――おいおい、なんだこりゃぁ……あんた天才かよ」
当時まだ若かったシモンは、設計図を見て笑いながらも鍛冶屋としての情熱を瞳に灯した。
「とんでもなく奇抜だし、この製法通り作ったとしても、上手く機能する保証がどこにもねぇ。だが、それでも作りたいってんなら協力してやんよ」
シモンはニヤニヤと顔をほころばせながら、必要な素材をメモ紙に走り書きし柊吾へ渡す。その内容を見た柊吾は息を呑んだ。
鉄鉱石、高ランクのミスリル鉱石、カトブレパスの外殻と頭蓋骨、カオスキメラの牙、イービルアイの瞼、炎の杖、風の杖、氷の杖の、それぞれが多数。
「そ、そんな……」
開いた口が塞がらず、それ以上は声が出ない。とんでもない量と質の素材が必要だった。しかし、柊吾はそれでも諦めることなく覚悟を決めた。
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