第十三章 真実を知る者

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 柊吾とメイも無事に広間から脱し、やがてその姿は見えなくなる。 「貴様ぁ……」    煙が上がり、ボロボロになった顔をニアへ向けたアスモデウスは、憎悪に目を光らせる。  そしてニアは、チャキンッと爪を立て、漆黒の翼を広げて大きく羽ばたいた。  柊吾たちが空洞を抜けるとすぐに、次の広間に出た。  いや、玉座の間と言う方が正しそうだ。  黄土色の壁は比較的綺麗で神々しさを保ち、天井を支える石柱にはヒビ一つない。  目の前に伸びる階段の上には、金に輝く玉座があり、その左右には神々しさを纏う剣と槍。そして、玉座には堂々と座している男がいた。  漆黒の髪をオールバックにした気難しそうな堀の深い顔立ち。引き締まった肉体の上からは、上質な毛皮で作られた薄紫の外套を羽織り、退屈そうに肘掛けへもたれて顎に手を当て、足を組んで目を閉じている。  人型であることには驚いたが、その威厳溢れる風貌と、漂う圧倒的な覇気からして、魔王サタンに違いないだろう。
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