奈良日記 1

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今年の夏、初めて「ひとり旅」というものをしました。 二泊三日、行き先は奈良です。 実はこの頃色々あって、精神的にも肉体的にも疲れきっており、強烈に「癒されたい」、「ひとりになりたい」と思っていました。 (よし、寺でも巡ろう) 「そうだ、京都へ行こう!」という、何処かのCMのフレーズのような思考で奈良へ行くことに。 共々、神社仏閣が好きで、ひとり旅なら「好きな様に、好きな場所に行ける!」と、この機会に行きたいところを回りつくそうと考えていました。 「奈良」を選んだ理由は比較的近場であること、狭い範囲で見所が多い事、それにネットでホテル予約が出来、キャンセルも前日迄OKなので、天気を見てから行けるというメリットもあり(何せ雨女なんで)、決めました。 因みに京都よりバスも街も空いてて、ホテル代もリーズナブルです。 大体お昼に駅に到着だなと予測し、「ここでランチをたべよう」と、場所も調べてありました。駅前のホテルに荷物を預け、この距離なら歩けるな~と思ったのが間違い! 何故、私はバスに乗らなかったのか! 9月とは言えほぼ真夏の気候、おまけに方向音痴の私は地図を見ながらうろうろし、何とかたどり着いたらなんと、店がない! 地図の通り、隣(ここは満席でした)の店名は合っていたので場所はあっている筈なのに……………………痕跡はあったので、多分辞めてしまったんでしょう。 人生で初めて「熱中症で倒れるかも」と思いました。 ちょっと路地裏みたいな場所だったんで近くに店はなさそうだし、自販機で水を買って一気飲みをし、日陰で休んで何とか落ちつきました。 何とか人通りのある辺りに出て、たまたま入った店でランチを食べたんですが、野菜を使った料理をメインにしたお店で、とても美味しかったです。 この旅の中で、どうしても見たかった仏像が二つあります。 ひとつは興福寺の「阿修羅像」。 「阿修羅像」は八部衆立像の一体で、3つの顔と、6本の腕を持つ戦の神でしたが、釈迦の教えにより改心し、仏法の守護神に。 少年のような何処か幼い顔立ちで、憂いを帯びた表情が印象的です。 6本の腕は肩につけられた位置により、前から「第1手」、「第2手」、「第3手」と呼ばれ、「第1手」は胸の前で合掌し、「第2手」は左右に伸ばして肘を曲げ、掌を天に向けており、「第3手」は1手と2手の間、斜め下に伸ばし、肘を直角に曲げています。「第3手」の先は破損しており、「第2手」の持物もなくなっています。 千数百年前の人々が見ていた像の前に、今、自分が立っているのだと思うと、ちょっと感動というか、不思議な気分になりました。 もうひとつは「法隆寺」のすぐ隣にある「中宮司」の「菩薩半跏像」です。 学生時代に日本史の教科書で見たのだと思うのですが、「何て綺麗なんだろう」と強く印象に残っていました。 表面は黒く滑らかで、右足を左の膝に乗せ、右手の指先を軽く頬にあてている姿は、「人々を如何に救済せん」と考えておられるのだとか。僅かに弧を描く「アルカイックスマイル」は、スフィンクス、モナリザと並んで「世界の三つの微笑像」と呼ばれている、とパンフレットには書いてありました。(私は初めて聴きましたが……) この旅で、初めて「御朱印帳」を買いました。 初めて頂いたのが「興福寺」。 御朱印帳を出したら「まっさらやなぁ」と笑われました。 教訓 : 夏の奈良は乗り物を利用しましょう
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