明日香村にて

2/2

19人が本棚に入れています
本棚に追加
/146ページ
飛鳥時代、中国は隋から唐の時代ですね。 飛鳥時代と言えば、推古天皇、聖徳太子、天智、天武、持統天皇の時代で、この辺りの歴史が私は結構好きです。 (きっかけは、某漫画でした) 天智天皇は天武天皇の兄で、持統天皇は天智の娘であり、天武の妻(つまり、叔父と姪が婚姻)と、歴史書にはあります。 この頃は同父母でない兄妹婚や叔父姪の婚姻などはOKのようで、大変おおらかです。 天武(大海人皇子)は「額田王(ぬかたのおおきみ)」という女性と恋仲だったのですが(二人が互いに贈ったとされる歌も残っています)、即位した天智(中大兄皇子)に、額田王を横取りされたとか。 天武は謀反の嫌疑をかけられることを恐れ、一度出家します。この時、天智の周囲の人間達は「虎を野に放つようなものだ」と言ったそうです。 事実、天智の死後、天武は天智の息子との戦いに勝利し、天皇となります。 「実は天武天皇が兄だったのではないか」とか、「天武は渡来人の血をひいていた」というような説もあるそうですが、真相は謎です。 近鉄奈良駅から1時間程、途中「橿原神宮前駅」(先日、天皇皇后両陛下がいらしていましたね)で乗り換え、「飛鳥駅」で下車すると、飛鳥時代の遺跡が多く残る「明日香村」があります。 今年の10月、2度目の奈良旅行の際に行って来ました(9月の時はあまりに暑すぎて無理だったので)。 バスでも巡れますが、ここは「レンタサイクル」が便利です。 通常より少し値は張りますが、「電動アシスト自転車」もあります。 初めて乗ったのですが、楽! 明日香村は坂道も多いので、体力に自信のない方や、いろんな場所を回りたい方には電動アシストがお薦めです。 初めて行かれる方におすすめしたい場所が3つ。 一つ目は「石舞台古墳」です。 その名のとおり巨石を積み上げて造られた横穴式石室で、飛鳥を代表する古墳です。製造は7世紀初め、盛り土がはがされ巨大な石室がむきだしになっています。被葬者は不明ですが、「蘇我馬子の墓」である可能性が高いとのこと。 遠目から見ると石の舞台に見えますが、裏側に回ると石室に降りる階段があり、中に入ることが出来ます。 「古墳」と言っても今は空っぽで、棺があるわけでもありません。隙間から僅かに見える空、これだけの巨石をどうやって積み上げたのでしょうね? 飛鳥時代にタイムスリップしたような気分が味わえます。 2つ目は「橘寺」です。 ここは聖徳太子誕生の地とされ、入口手前には「聖徳太子御誕生所」の石碑が建っています。思わず写真を撮りました。 左右に黄金の稲穂が揺れる細い道を進むと、突き当たりに「橘寺」が。 自転車を止めていると「ねーちゃん、栗いらんか?」と見知らぬおじさん声を掛けられました。戸惑う私の自転車の籠におじさんがポケットから出した栗をぽいぽい入れてくので、「お家で食べられないんですか?」と聴くと、「毎日持って帰って怒られるんや」とのこと(なのに何で拾っちゃうのか?)。 お礼を言って、ありがく頂戴しました。 立派な栗で、結構な重さでしたが、家に帰ってから「栗ご飯」にして美味しく頂きました。 門をくぐると、満開の芙蓉の花越しに、遠く「甘樫の丘」が見えます。 見所の多い場所ですが、中でも境内にある「二面石」は飛鳥時代の石造物で、人の善と悪二つの顔(向かって左が善、右が悪)を表したものと言われています。 見比べてみると面白いですよ。 3つ目は「飛鳥寺」です。 ここは「日本最初の寺」であり、本尊の「飛鳥大仏」は日本最古の仏像と言われています。 2度の火災により寺は焼失、本尊の飛鳥大仏もかなりの損傷を受けました。螺髪の一部がなかったり、右の頬に残る傷はその名残でしょう。寺が再建されるまで、この大仏は地元の人々の手によって守られてきました。 「多くの人に見てたもらいたい」との想いから、こちらの仏像は写真撮影もOKだそうです。 境内を西に抜けたところ、田んぼの中にポツンと五輪塔が立っています。「乙巳の変」で暗殺された蘇我入鹿の首塚で、暗殺の舞台である「飛鳥板蓋宮」から、飛んできたとも、供養のために埋められたとも言われています。 首塚の後方には、蘇我一族の邸宅があった「甘樫の丘」が見えます。 ちょっと皮肉ですよね。 因みに「飛鳥板蓋宮」の跡と伝わる場所も、明日香村に残っています。(草っ原の中に) 結構離れているので、首が飛んできたのだとしたら、ものすごい執念です。 レンタサイクルで回られてる方も結構いるので、写真を撮りあったり、道を確かめあったり、知らない方との交流などもあって、なかなか楽しいです。 「入鹿の首塚」は特に表示もないので、「これ…………ですかね?」なんて確認したりも。 来年、新緑の頃にまた行けたらいいなと思ってます。
/146ページ

最初のコメントを投稿しよう!

19人が本棚に入れています
本棚に追加