十二国記

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小野不由美さんの「十二国記」最新刊、「白銀の墟(おか) 玄(くろ)の月」。 大手本屋さんではポスターが貼られ、大々的に宣伝もされていたので、御存じの方も多いと思います。一冊400ページ余りで、全四巻、18年ぶりの長編とのことで、長年のファンである私も「待ちに待った」新刊でした。 新刊が出てすぐに買ったにも関わらず、机に積み上げたまま中々読めずにいました。 内容が余りに暗く、登場人物も多く複雑で、読み進めるのがしんどかった。 読み終えたのは3日前、3日で読みました。 いざ、読みはじめると止まらなかった。 つい最後のページを先にめっくってしまいそうになるのを必死に我慢して、最後の一行を読み終えたとき、ほうっと満足と安堵のため息をつきました。 物語の中では多くの人が命を落とします。 物語に深く関わった人々も、名もない民も。 厳しい冬の寒さや風の冷たさ、ひもじさ、大切な人を失う痛み、積み上げてきたものが一瞬で壊れてゆく残酷な現実、それらが容赦なく描かれる。 まるで自分自身が体験しているかのように、それらはリアルに迫ってきます。 「十二国記」とあるように、十二の国があり、十二人の王がいて、それを選ぶ「麒麟」と呼ばれる聖獣がいる。 史実ではなく「異世界」なので、独特の世界観があり、摂理があります。 「日本」を「蓬莱」と呼び、複数の主人公が、「蓬莱」から流されている設定なので、キャラクターに、親近感も湧きますね。 外伝も合わせて十冊以上出ていますが、興味があれば是非、手に取ってみてください。
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