祈り

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ついに国内全土に「緊急事態宣言」が出ました。 特に東京は感染者数の増加が激しく、「第2のニューヨークに」というのも杞憂ではなくなってきました。 私も最初に宣言の出た「7都府県」のひとつに住んでいます。 なるべく外に出掛けず、過ごしていますが、先日、自転車に乗った学生の団体とすれ違った時には、思わず目を閉じてしまいました(そんなことで、効果があるのかは謎ですが)。 総理や知事の会見の際、テレビのワイプの中で手話でニュースを伝えている女性がいます。手話というのは、その口の動きや表情等も含めて言葉を伝えるので、マスクをされないのだそうです。 そんなことも、コロナ騒ぎのニュースの中で知りました。 今回のことで、口元だけが透明になったマスクが作られたようですね。 昔、一度だけ「ミニシアター」に行ったことがあります。 どうしても見たい映画があり、仕事の後、40分電車に乗って(同期を誘ったら断られたので)、一人で見に行きました。 大きな通りから外れた場所にある小さな映画館は、独特の空気と雰囲気があります。 大々的に宣伝されるような映画ではなく、予算もそんなに掛けられずに作られているような作品でしたが、主人公の女性の歌唱力が凄くて、見終えた後の満足感は特別なものがありました。 今、そのミニシアターはコロナの影響で観客数が激減し、大打撃を受けています。 この危機を乗り切ろうと、京阪神の13のミニシアターが「劇場応援Tシャツ」を作りました。背中に各映画館のロゴマークを入れ、諸経費を差し引いた収益を均等に分配するとのこと。「劇場を応援したい」という映画ファン、映画関係者からも多くの賛同が寄せられているそうです。 ただ、支援を待つのではなく、自らが動き出すことが、人の心を動かすのだと思います。 医療機関の方々は、自らもコロナ感染の危機に晒されながら、懸命に治療に当たっています。 感染を抑えきれるかどうかは、この瞬間のひとりひとりの行動に掛かっていると思います。 先日、病院からの帰りに近所の神社にお参りしました。散りかけの桜、人気のない無人の神社は、子供の頃によく遊んだ場所です。 まるで呼ばれたような気がして、鳥居をくぐり、石段を登って、手を合わせました。   『どうか、コロナ感染が一刻も早く治まり、平和な日常が戻りますように』
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