長崎

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数年前、旅行で長崎を訪れました。 世界遺産に認定される少し前の事です。 長崎は、グラバー園や大浦天主堂、亀山社中跡など、観光スポットも多く、その歴史から異国情緒も感じられる美しい街です。 「亀山社中」は坂本龍馬が仲間と共に起こした「日本初の商社」と言われており、跡地に建つ記念館には龍馬所縁の品が展示されています。記念館のすぐ前、街を見下ろす場所にブーツと船の操輪を象った「龍馬のぶーつ像」なるものがあり、靴のまま足を入れられるようになっているのですが、そこに立つと、遠くに見える海に向かう船に乗っているようで、ちょっぴり龍馬気分が味わえます。 (あまりメジャーな観光スポットではないですが、歴史好き、龍馬好きな方には嬉しいかも) 細い路地の坂道を登った処にあるので、行くときは歩きやすい靴をオススメします。 その長崎の街に原爆が投下されたのは、75年前の8月9日、広島に原爆が投下された僅か3日後の事でした。 「戦争を終わらせるため、必要な事だった」との主張には、アメリカ国内でも疑問の声が上がりはじめています。 広島の原爆記念館には、焼け爛れた人々の写真や、被爆によって焼け焦げた衣服、ひしゃげたアルミの弁当箱など、その悲惨さを伝える品々が展示されています。 それは原爆の恐ろしさを伝える切れ端でしかありませんが、それでも目を背けたくなるほどのものです。 一瞬で街は瓦礫となり、何万という人の命を奪いました。 長崎の記念公園にある像は、天を指す右手で原爆を、水平に伸ばした左手で平和を表しているそうです。 青空の下で見上げたそれは、「あの日を忘れてはいけない」と、訴えているように見えました。
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