伝説の勇者のように(強く)なってほしい、伝説勇者のように(冷遇)されました

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伝説の勇者のように(強く)なってほしい、伝説勇者のように(冷遇)されました

ネオ・アクアベルは、伝説の勇者ナオ・ミズタニみたいになって欲しいという意味をこめて、似た発音のネオという名前をもらった水魔法使いの一門アクアベルの期待の跡取りだった。 だったというのは、もちろん今はないということで数時間前、一門から追放された。 つまり出来立てホヤホヤの渡り(ソロ)の魔法使いになったばかりだ。 魔法使いというのは、大概魔法使いの一門に所属しているか、貴族や豪族に囲われている。 ソロの魔法使いなどそうそうにいない。 冒険者になれば引っ張り凧間違いない。 水魔法使いだからといって、水魔法しか使えないわけじゃない。 元々アクアベルの跡取りだったわけもあり血筋に恵まれていた。 人より多い魔力量、丈夫な体、優れた魔法センス。 それだけじゃない、跡取りとして幼少期からトレーニングや、魔法の勉強など英才教育を施された彼は超一流といっては過言ではない技量を持っていた。 そんな彼がなぜ追放されたかと言えば簡単な話。 水魔法は心の綺麗さが水質に現れると言われる世界で水魔法の一門の跡取りが悪臭漂う酷く濁った汚水しか使えないことにあった。 現当主、ネオの両親の許可を得ないまま追い出された彼に渡されたのは、奇しくも勇者と同じ。 木の棒と、一握りの硬貨……50シルバーだった。 手元にあるのは木の棒と10シルバー硬貨5枚。 魔力量増加のペンダントや魔法抵抗が増加するロープなどは持ち出せなかった。 なんせお風呂に入っていたところに現れた排斥派の人間たちが身一つのまま彼を追放したのだから。 濡れた全身にボロ布を巻きパンツだけ履いた状態で追い出された。 相当惨めな見た目だっただろう。 その姿を見て笑う排斥派の人間が出て行けと言いながら笑うその姿を横目に地面に投げ捨てられた50シルバーを這いつくばって広い、無言で立ち去ったのであった。
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