馬鹿は一生Eランク

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馬鹿は一生Eランク

冒険者ギルドの規則は単純だ。 頭が悪いくせに力はつよく沸点が低い魔物みたいな冒険者も数多くいる中、ギリギリわかってもらえるように作られたルールだからだ。 Eランク冒険者には犯罪者が多いが彼らはやめさせられない。中にはソロでドラゴンを瞬殺できるような強さをもつものがいる。彼らは脳まで筋肉が詰まっているため、何も理解していない。 だから悪いことをしたからといってギルドから追放しようとすれば、その圧倒的な暴力がギルドにむくことになる。命の惜しいギルド職員は故に、Eランクを設定し、そこをゴミ箱と罵った。 ゴミ箱ランク。Eランクから冒険者は始まる。 冒険者のルールは単純だ。 討伐依頼がでていない、犯罪者の殺害の禁止。 殺人依頼の仕事の禁止。 王国法に反する行為の禁止 この三つのうち1つ目を早々に違反してギルドに加入しにしたイカレタ男をみて受付嬢は、内心また万年Eランク冒険者が増えるな。と確信した。 「冒険者ギルドは、Eランクからはじまる、そうだな」 いきなり口を開いた男。ネオに、今そう言っただろと思いながら話を聞く受付嬢。 「以前、指定された冒険者を倒せば飛び級ができると聞いたのだが」 チッ。内心舌打ちをした。 やはり知っていたか。あまり知られていないシステム。英才教育を受けたような特権階級の人間が冒険者になる際、Eランク冒険者に紛れて悪いことを吹き込まれたりしないようにするシステムだ。 だが、こんなやばそうなやつをシステム通り飛び級にさせるわけにいかない。 「ええ、御座いますよ」 にこやかに、それで腹黒く笑った受付嬢は、カウンターからでてギルドに併設はれた酒場で酒を飲んでいた男にヒソヒソと話しかけた。 男は頷き、大剣を手にすると受付嬢とともにネオの前に立った。 「では、この方に勝利してください」
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