最強故の慈悲

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最強故の慈悲

ネオは受付嬢の悪意を感じ取っていた。 魔法使いは特殊なルールに乗っといて動いている。 魔法使いは魔法が使えるだけではなく特殊な感覚も持ち合わせている。嘘がつけなくなる代わりに魔法が使え、感情が抑制されたり、昂ぶったり、ともかく人格が変わる代わりに人の心を読んだり、気配を感知したり、魔力の流れや生命力をみたりできるようになる。 ネオをアクアベルの跡取りにさせないように追放した排斥派たちは未熟者が多い。心を読める魔法使い対策に魔法使い達は自らのこころをみせないように訓練する。 それ故に腹の中を見せて悪意をさらけ出していた排斥派は未熟なのだ。 本気になれば小遣い稼ぎのために殺した闇ギルドの人間のように殺せた排斥派を殺さなかったというのは端に慈悲に過ぎない。 跡取りが行方不明になったことに起こった一門の人間が排斥派を殺すかもしれないが知ったことではない。 今まで、大人になるまで汚水しか出せない水魔法使いが追放されなかったのも、慈悲ではなく一流から認められるほどの力をもつ魔法使いであったからだ。 それを見抜けず、ただ汚水を使うなんて水の一門にふさわしくないというくだらない理由で追い出した輩は水の一門というよりも魔法使い失格であろう。 全魔法無詠唱、最高位の神級魔法以下の全ての魔法を使いこなし、混合魔法や錬金術もマスターし、容赦ない性格で他の追随を許さない水の一門のエースオブエース。 それが、ネオ・アクアベルの評価であった。
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