最終楽章 Dal Segnoをもう一度

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 ミラの足音に気づいたのか、ひょろりとした背中が振り向く。  月光に幽かに透かされて輝く、色素の薄い髪。  異国ふうの顔立ちなのは、実際、ミラと遠く隔たった場所で生まれたから。  連絡先を秘匿していたのも、音楽を聴くときはいつもミラの【A:muSe】を借りていたのも、今になってようやくすべてが腑に落ちる。  月の光を浴びて、レド・ギルヴァンがそこに立っていた。
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