第一章 古(いにしえ)の伝説

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「その伝説には続きがあるぞ」  定期巡回の途中で寄った村の酒場。飯を食いながら取り止めのない話に花を咲かせていたら、隣のテーブルの客がいきなり口を挟んだ。俺は口に運びかけたフォークを皿に戻し、その客を睨みつけた。  話の腰を折ったその男は、歳の頃は六十といったところか。年季が入って何色か分からなくなったマントを羽織り、白髪混じりの長髪を後ろで束ねている。
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