火曜日 午後

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俯きながら歩いていると、雑音が1つの音となったように木霊してきた。ワンワンと響く渦の中で、さっきから考えまいとしている事が、いやでも思考を侵食していく。 とりあえず逃げてるわけだ、僕は。敷かれたレールの上で走らされる自分に嫌気がさして、窮屈で我慢できなくなり、小さな反逆を企ててる。 僕がこれまで取り立てて反抗らしい反抗をしなかったのをいいことに、最近では若干の難題をこなさせて喜んでいる両親の鼻を折ってやりたいとか、僕は親の夢を叶える物じゃないってことは、何処かでいつも思っていた。 それでもやっぱり人目を気にして、臆病になってしまう。1人で歩くこともできない自分。動くことすらできない。
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