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時はあっという間に過ぎ、式の当日を迎えた。 親戚や友人、私と咲也が同じ会社ということもあり会社の人たちも大勢参列してくれていた。 最初はこの結婚に反対していた香織も、今では祝福してくれている。 式が始まる前の控え室に、他の同期の友人たちと一緒にお祝いを言いに来てくれた。 「美桜…綺麗…!このドレスすごく素敵!」 「ふふ、ありがとう。」 「最初は本当に美桜はどうしちゃったの?って心配したんだよー。咲也さんと結婚なんかしたら苦労するに決まってるのにさー。」 一応母親が近くにいたので、聞こえないように小声で囁くようにそう言う香織。 「うん。そうだよね。それは覚悟の上だよ。」 「そんなに好きだったの?咲也さんのこと。」 「うん…多分ね。」 「多分って…。ねえ、美桜大丈夫?」 「大丈夫よ。最近はうまくいってるのよ、私たち。」 「そうだろうけど…。」 「ありがとう、香織。心配してくれて。でも大丈夫。私、幸せになるから。」 まだ心配そうに私の顔を見ている香織に、思いっきり幸せそうな笑顔を見せた。 そのときは、本当に自分は幸せになれると思っていた。 咲也はまたきっと浮気をすると思う。 私はきっとまた苦しむと思う。 それでも、私は咲也と生きていきたいと思った。 それだけ彼を愛してるんだと、そう信じていた。 そう。 この時。 この瞬間までは…。
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