時を繋げて

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東の空が白みだした 夜明けが近づいている 今のこの時が 現なのか 幻なのか わからないまま ただ 目の前にある温もりに しがみついた そばにいて ただそばに… 好きじゃなくていい 嫌いでも 憎んでいても それでもいいから 忘れないで 忘れないでいて 一緒に過ごした日々を 僕という存在を… それだけでいいから ただがむしゃらに抱きしめた 華奢な身体 いつもなら抱き潰さないように加減をする その身体を力任せに抱きしめて 離さないと 離されないと ただそれだけを祈ったのに… 愛してる そんな言葉さえ はかなく消えて… もう少しだけ あと少しだけ あなたに触れていられるように あなたを胸の中に閉じ込めて 離せないでいた
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