依頼その1 家出少年の捜索

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 一輝くんの姿が見えなくなるまで見送ったあと、僕が事務所に戻ろうとすると、聞き慣れた声が飛び込んできた。 「あっれぇ、龍臣何してんの?」  健太くんと大神さんの出勤らしい。僕はそれを笑顔で迎える。 「なんでもないよ。しいて言うなら、青春って素晴らしいかな?」 「はっ? 訳分からん」 「いいんだよ。さぁ、今日もお仕事だ。その前にお菊ちゃんが作った朝ご飯を食べないと」 「まじ? ラッキー、俺ももらおうっと。朝めし、まだ食ってないんだよ」 「どうせ仕事しないんだから、食べちゃダメだよ。もったいない」 「いやいや、そもそも依頼入ってないから龍臣も同じじゃんかぁ~」  健太くんの言葉を無視し、僕は事務所に入る。大神さんは相変わらずの無表情。でもこれが僕たち、牛久探偵事務所。  僕の探偵生活は始まったばかりだった。
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