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……ざわざわざわ
窓は開いたまま、“そとのせかい”の空気を運んできます。
カーテンはゆれ、“なかのせかい”にはない不思議な音を立てています。
……ざわざわざわ
窓のそばには小さなテーブルがあります。
そこにひとつ黒い小さな何かがいます。
その黒い小さな何かは動く気配はありません。
……ざわざわざわ
それを見つめているのは、背の高い男の人です。
優しいようなでもどこか悲しそうな顔をした、穏やかな雰囲気の……
彼はその黒い小さな何かを見つめています。
「……ごめんね。」
彼はそう言うとその黒い小さな何かを抱きかかえました。
「……僕のせいだ……本当に…ごめんね。」
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