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「本当にこれに乗るの?」
夕方までの時間トオルは仕事の
電話をすると母屋から出て行き
その間数時間は
ヨシノは荷造りをしたり
プールで泳いで過ごした
そしていよいよ彼のコテージに
帰るのかと思った頃
ヨシノはトオルに手を引っ張られ
玄関の前に止まっている
50CCの古いベスパを見て固まった
「あなたのフェラーリを
このボロボロのスクーターに変えたの?」
ヨシノがマジマジと古いスクーターを
見て言った
「十代の頃はこれで移動していたんだ」
トオルはひらりとスクーターに
またがって言った
ヨシノは驚いた
「ちょっと待って!
これに二人乗りするの?
今のあなたはこれに乗るには大きすぎるわ」
「大丈夫!コイツは意外と
丈夫なんだ! 」
ほら!早く!
連れて行きたい所があるんだ」
ヨシノは笑ったが彼の後ろに乗って
筋肉質の胴に両腕を巻きつけると胸が
高鳴り出した
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