第四章 始まりがあれば終わりがある

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・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 「本当にこれに乗るの?」 夕方までの時間トオルは仕事の 電話をすると母屋から出て行き その間数時間は ヨシノは荷造りをしたり プールで泳いで過ごした そしていよいよ彼のコテージに 帰るのかと思った頃 ヨシノはトオルに手を引っ張られ 玄関の前に止まっている 50CCの古いベスパを見て固まった 「あなたのフェラーリを このボロボロのスクーターに変えたの?」 ヨシノがマジマジと古いスクーターを 見て言った 「十代の頃はこれで移動していたんだ」 トオルはひらりとスクーターに またがって言った ヨシノは驚いた 「ちょっと待って! これに二人乗りするの? 今のあなたはこれに乗るには大きすぎるわ」 「大丈夫!コイツは意外と 丈夫なんだ!       」 ほら!早く! 連れて行きたい所があるんだ」 ヨシノは笑ったが彼の後ろに乗って 筋肉質の胴に両腕を巻きつけると胸が 高鳴り出した
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