第四章 始まりがあれば終わりがある

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「ヘルメットは? 」 「僕につかまっていればいい!!」 「まぁ!だめよ!キャァ!! 」 二人は笑いながら急発進で埃っぽい 砂利道をべスバで走り出した ヨシノは彼にしがみつき スクーターがカーブを曲がるたびに 笑い声をあげ腕に力をこめた スクーターは長く緩やかな側道を スイッチバックしながら順調に 崖を登って行った 登るにつれ眼下の景色が広がっていく 彼が幼少のころに育った場所は とても美しかった 岩の多い入り江や美しい砂浜を通りすぎて 崩れかけた砦の遺跡へと坂をあがっていくとそこで二人はスクーターを止めた そしてヨシノの手を取り 遺跡の頂上まで歩いて行った時は 二人は爆笑していた 何がそんなにおかしいのか わからなかったが人は楽しくても 爆笑するものだとヨシノは心の中で思った すると夕日が海に沈む素晴らしい眺めが 目前に広がった   二人はその場に座り 海面にゆっくりと日が沈んでいくのを そっと寄り添って無言のまま しばらく見入った
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