第一章 乙女の嘆き

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「もう二度と愛なんて信じない! 騙されやすい性格ってどうしたら治るの?」 ヨシノは冷めたいおしぼりを目に当てて 涙がこぼれるのをなんとかこらえた これ以上泣くと目が腫れて 仕事ができなくなってしまう みゆきが冷たいお絞りをヨシノに もう二つ差し出しながら言った 「自分を責めることはないわ 彼の方が大嘘つきの浮気者だったのだから それでその彼どうなったの?   」 ヨシノは両手で顔を覆った 「私が泣いて帰ってきたら彼が 泊まっているホテルまで洋平が行って 彼をボコボコにしちゃったの 私やめてって言ったのに 」 「洋平君でよかったわね 隼人さんだったら留置所に 入れられている所よ」 みゆきが呆れて目を回した ヨシノがゾっとして言った
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